平飼いとは

平飼い
平飼いの鶏の様子(永光農園)

平飼い卵とは、地面に放して飼育され、鶏舎内を自由に動き回る鶏の産む卵のことです。

日本で一般的にスーパーなどで販売されている卵はほとんどがケージ飼いの卵。
ケージ飼いは平飼いと異なり、カゴに入れられ地面から離して飼育されているので、運動することができません。

永光農園では、鶏の健康にとって、そして卵の美味しさにとって、平飼いが優れていると考えていますので、飼育コストは高くなりますが平飼いを採用しています。

平飼いとは

平飼い(ひらがい)とは、ケージを積み上げて飼うケージ飼いに対して、「平ら」に「飼う」という意味で、鶏を地面に放して飼う養鶏法のことです。平飼いでは鶏は地面を自由に動き回ることが出来ます。よく運動することで健康になるのは人間も鶏も同じです。

平飼いにされた鶏は、本来の鶏の習性に沿った行動をすることが出来ます。足で地面をかき回し、くちばしでほじくり返して、何かエサがないか探します。卵が産みたくなったら、自ら産卵箱に入って安心して卵を産みます。天気のいい日は日の当たる場所に行って、体を伸ばし日向ぼっこをします。また、「砂浴び」と言って地面を掘って体をこすりつけ、皮膚や羽毛についた汚れや寄生虫を落として体を清潔に保ちます。夜になれば、止まり木に登って体を休めます。これは、暗くなると目が見えなくなる鶏が、安心して眠ることが出来るように、高いところに登ろうとする習性です。

このように、平飼いの鶏は、その本来の習性に沿った生活ができるので、健康になり、良い卵を産むのです。

平飼い鶏の習性

自由に動き回る平飼いの鶏

足で地面をかき回す

見ていると鶏は一日中、なにやら足で地面をかき回しています。土の中のミミズなどの昆虫を探したり、落ちている植物の種など、エサになりそうなものを探すための動作でしょう。ですから鶏の足のもも肉は非常に太く発達しています

鋭いくちばしを持つ鶏
鋭いくちばしを持つ鶏の正面写真

くちばしでつつく

くちばしで細かいものをついばんだり、固いものをつついて中の物を食べたりします。カボチャや人参などは鋭いくちばしでつついて食べます。また、足でかき回すのと同様に一日中、地面をくちばしでほじくり返しています。
一日の大半を何かしらをつついております。それほど、つつくことは鶏の習性そのものといえます。

平飼いの鶏が産卵箱に入っているところ
産卵箱に入って卵を産んでいる様子。少し高い場所に設置してあり、鶏は卵を産みたくなるとここに登って入ります。

自ら産卵箱に入って産卵

平飼いの鶏は産気づくと、自分で産卵箱の中に入って卵を産みます。鶏舎の中には鶏が産卵しやすいように産卵箱が設置してあって、部屋の中は60センチ四方に仕切られ、暖簾が掛かっていて中は暗くなっています。これは、出来るだけ安全な場所で産卵しようとする鶏の習性を利用したものであって、何も教えなくても自らこの産卵箱の中に入って産卵します。こうして、安心して卵を産むことが出来るわけです。

ひなたぼっこ

平飼い鶏舎は開口部を大きく取り、日光が差し込むようになっています。鶏は部屋の中を自由に移動できるので、天気の良い日には日の当たる場所でひなったぼっこしています。日光に当たることも健康維持に必要なことです。日光を浴びて育った鶏のトサカは赤々としています。このトサカの色、ケージ飼いの鶏と比べると違いは歴然です。

鶏が砂浴びをしているところ
砂浴びをする鶏

砂浴び

平飼いの鶏は、地面に穴を掘り、体に砂を浴びせかけたり、地面に体を擦り付けたりする動作をよくしています。これが「砂浴び」と呼ばれる行動です。この砂浴びで、皮膚や羽毛についたダニやワクモなどの寄生虫や汚れを落とし、体と羽毛を清潔に保ちます

夜に止まり木に止まって眠る鶏の様子
夜止まり木の上で休んでいる鶏

止まり木に止まって寝る

平飼い鶏舎の中には高さが60センチぐらいの止まり木が設置されています。
鶏は夕方になり辺りが暗くなってくると、止まり木の上に上がり寝る準備をします。鶏は鳥目で暗くなると目が見えなくなるので、キツネなどの外敵に襲われないように、できるだけ高いところに登って寝る習性があるのです。
止まり木の上で鶏は安心して眠ることが出来ます。鶏は人間の改良により空を飛べなくなっていますが、もともとは鳥なので、高いところ行こうとする習性があるのです。

以上のように、平飼いは鶏本来の習性に合った飼い方です。自然に沿った飼い方をすることで、薬に頼らなくても健康で丈夫な体になりますし、卵も生命力にあふれた美味しい卵になるのです。

平飼いの動画

平飼いでのびのびと動きまわる鶏の動画です。

平飼いのメリットとデメリット

平飼いのメリット

  1. 鶏が自由に動き回れるので、鶏が健康になり、卵の品質がよくなる
    • 卵に生臭さがない
    • 殻が固い
    • 白身がプルプルこんもり盛り上がる
    • 旨味とコクがある卵本来の味わい
  2. 鶏が自由に動き回り、ストレスが少ないので病気にかかりにくい
    • 薬剤を使用しないので安心して食べられる
  3. アニマルウェルフェア(家畜の生活環境)の向上

平飼いのデメリット

  1. 生産効率が悪いので価格が高くなる
  2. 日本では流通が少ないので手に入れづらい
  3. 地面に放すので鶏の足が汚れやすい
    • 卵に汚れが付きやすい(永光農園では洗卵し汚れを落としています)
  4. ツツキ(鶏同士がケンカしてツツキ合うこと)が発生しやすい
    • 鶏が怪我をすることがある

ケージ飼いとは

ケージ飼い養鶏の内部
ウィンドレス鶏舎内部の様子

ケージ飼いとは鶏をケージ(鳥かご)に入れて飼う養鶏法です。スーパーなどで売られている卵のほとんどはケージ飼いによる卵です。日本の養鶏におけるケージ飼いの割合は95%にものぼります。
多くの養鶏場がケージ飼いを採用している理由は、生産効率を上げるためです。ケージに入れて、何段にも積み重ねれば、平飼いよりもずっと多くの羽数を飼うことができます。この結果として、人件費や設備費などのコストを下げることが可能となり、卵は栄養価の割に安い価格を実現できました。私たちはその恩恵を受けているわけです。

ケージ飼いのメリットとデメリット

ケージ飼いのメリット

  1. 価格が安い
    • 生産効率が良くなるので物価の優等生と言われるほど価格が安い
  2. 流通が多いので手に入りやすい
  3. 地面から離しているので鶏の足が汚れにくい
    • 卵に土などが付着せず衛生的
  4. カゴに入っているのでツツキ(鶏のケンカ)が出にくい

ケージ飼いのデメリット

  1. 飼育密度が高いので、伝染病が発生すると蔓延しやすい
  2. 世界的な潮流のアニマルウェルフェア(家畜の生活環境)の向上に対しては改善が求められている
    • 欧米ではケージ飼いが規制されているところも多く、日本のもその考え方が波及してきている

平飼いとケージ飼いの比較

平飼いとケージ飼いを表で比較。

平飼いケージ飼い
足で地面をかき回すことは?一日中、足で地面をかき回している地面から離されかごに入れられているので地面をかき回すことは出来ない
くちばしでつつくことは?一日中、何かを探して地面をつついているエサしかつつくものがない
卵を産むときは?産みたくなったら自ら産卵箱に入るケージの中で産む
日向ぼっこは?日の当たる場所に自由に移動し日向ぼっこするケージに閉じ込められているので日の当たる場所に移動できない
砂浴びは?好きなだけ砂浴びして体をきれいにする地面から離されているので砂浴び出来ない
夜寝るときは?夜は止まり木に上がって寝るケージの中で寝る
生産効率悪い 少量生産良い 大量生産
入手しやすさ日本では流通が少ないので手に入れにくい極めて手に入れやすい
価格ケージ飼いの卵に比べると割高極めて安価

まとめ:永光農園が平飼いにこだわる理由

平飼いはケージ飼いに比べて生産効率が悪く、卵の価格も割高になりますが、本物のいい卵を生産したいとの思いから、永光農園は平飼いにこだわっています。
生産効率のよいケージ飼いですが、ケージに閉じ込められ、運動できないことから、体は弱くなり、薬剤に頼りがちになります。
それに対して、平飼いでは地面を自由に動き回り、よく運動するので、病気に強い丈夫な体になります。このことが、鶏を飼育するうえで一番大切なことであると永光農園は考えています。また、自然に沿った環境でこだわりのエサを食べるので、生命力の強い美味しい卵を産みます。
以上の理由により、手間もかかり、コストもかかりますが、永光農園は平飼いにこだわっています。

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